カレーに、感謝。
相方が実家に帰っている。
夕食に、カレーを作っておいてくれた。
一人、家にいると、寂しい。
一人でカレーを食べ、一人で片付け、一人でトイレに入る。
思うに、会話こそ「ごちそう」だった。
たった一日相方がいないだけで、弦のないギターのような家になっていた。
カレーは、相方とこれと同じルーのカレーを食べたことを思い出させてくれる。
マッチ売りの少女のように、一口毎に楽しい思い出がよみがえってくる。
そして、最後の一口を食べるとき、オイラは天に召されるわけでもなく、丸い皿にちょっとしたこげ茶の食べ跡がアートのように残っているだけだった。
そんな芸術をしばし見つめながら、ほのかに相方の存在を残したカレーに、感謝。